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「森の入り口」

目の前に美しい蝶がふわっと舞い降りた。

私は蝶を追いかけた。

理由はそれだけ。

全てを捨ててしまいたくて、ただ夢中になって歩いた。

生きることに少し疲れていたのかもしれない、あの時。

森の中には美しい鳥たちが羽を広げ、さえずっていた。

鳥たちの歌声に誘われるようにただ足を進めた。

森の中にいると時間の感覚が変わる。

どれくらい歩いたのだろう?

気がつくと私は、森の奥深くに迷い込んでいた。

いつからか白い猫が一匹、私について来ていた。

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