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惑星の軌道

東の空に太陽が登り、空が白んでいく。

すり寄ってきた野良猫のしっぽに

鼻をなでられて、目が覚めた。

昨夜はあのまま泳ぎ疲れて

砂浜の上で眠ってしまっていたみたいだ。

マーレを探したけど

彼女の姿は、見渡す限りどこにもなかった。

私はポケットからビスケットを取り出すと

それを半分に割ってから、片方を猫にあげた。

船の時間まで島の中を探してみたけど

マーレとはそれっきり会えなかった。

不思議な思い出だけを残して、彼女は姿を消した。

でもまたいつか会える気がしてる。

惑星の軌道が長い時の果てで

いつかまた重なる様に。

魂の旅の途中で。

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