ちいさな鳥
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波の音が気持ちよくて
気がつくと私は目を閉じていた。
するとマーレが、私の胸にすっと手を当てた。
とても自然な動作だったから
何をされたのか最初はわからなかった。
彼女の体温が、手のひらから伝わってきた。
次の瞬間、マーレは私の胸の中から
ちいさな鳥をするっと取り出して、空に放った。
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「空に帰してあげる必要があるのよ。
前に進むためにはね。
あれはあなたが叶えられなかった未来や、想い」
小さな鳥は美しい羽を広げると
空高く飛び去っていった。
不思議と怖くはなかった。
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